親鸞の三願転入

初めに

親鸞証人は、その生涯に三回の願を受け入れたと言われています。その歩みを見ていると、他力の道をより純粋に進んで行かれた様子が分かります。五井先生の他力の道を歩まれる方に何かの参考になればと思い筆をとることにしました。より純粋な他力とはどのような道なのか考える上で指針になろうかと思います。

三願とは

大無量寿経の四十八願の十九願、二十願、十八願をその順序にそって三願といいます。大無量寿経は、法蔵菩薩がすべての衆生を救うために立てた四十八の祈願を中心に説かれています。法然証人は、第十八願を本願として選び、それを信じるように人々に勧めました。その願には、何の行がなくとも念仏を称える(仏を念じる)だけで、往生できることが説れているからです。法然証人は菩薩心の厚い方で、人々が戦(イクサ)で人を殺めたり、疫病や飢饉で死んでいく様子をご覧になって、どんな人でも救われて浄土へ往ける道を一心に求められました。そして、大無量寿経の第十八願をもって確信を得られたのです。

五井先生は、念仏を
「神様の人類救済宣言である」(「五井昌久講話集2」p113)と仰っています。念仏を称える者はすべて救われることを説かれています。

「五井先生」といえば神様につながる。つながれば必ず悪いところへはいかない。五井先生というのは、南無阿弥陀仏と同じですね。だから、それだけでもって救われるわけです。」「五井昌久講話集2」p9

第十九願

「たとひわれ仏を得たらんに、十方の衆生、菩提心を欲し、もろもろの功徳を修して至心発願して、わが国(浄土)に生ぜんと欲せん。臨終の時その人の前に現ぜずば、正覚をとらじ」(至心発願の願)

親鸞証人は、幼い頃に叡山に登り、厳しい修行(功徳)を行っていました。そのような苦行を積み重ねて行けば、必ず御仏と一つになり悟りが開けると考えていました。しかし、20年間も厳しい修行を続けても、仏をみるような体験をすることが出来ませんでした。絶望した親鸞証人は、当時京都で有名であった法然証人の処に行き教えを乞いました。

法然証人は、日に何万回となく念仏を称える悟り切った聖人でした。親鸞証人は、法然証人から念仏だけすれば往生出来ることを教わり、念仏を一心に称え続けました。

第二十願

「たとひわれ仏を得たらんに、十方の衆生、わが名号を聞きて、念をわが国に係け、もろもろの徳本(念仏)を植ゑて、至心回向してわが国に生ぜんと欲せん。果たさずんば正覚を取らじ」(至心回向の願)

親鸞証人は、法然証人のように念仏を称え続け、その功徳で往生できると考えていました。しかし、法然証人は、往生は御仏の慈悲によるものであり、行や念仏の多少で決まるものではないことを教えられました。そして第十八願を本願として勧められたのでした。

第十八願

「われたとひ仏を得たらんに、十方の衆生、至心信楽(シンギョウ)して、わが国に生ぜんと欲して、乃至十念せん。もし生ぜずば(往生できなければ)正覚を取らじ」(至心信樂の願)

親鸞証人は、法然証人の勧めで、第十八願により、御仏の絶対的な慈悲のみで往生出来ることを悟られました。まるで慈母のように御仏は、煩悩に苦しんでいる者をなんら差別せず救って下さるのです。その人の行いや功徳の大小とはまったく無関係に、弥陀の願船に乗せて下さるのです。汚れはすべて御仏が浄めて浄土に連れて行って下さるのです。何と有難いことでしょうか。

御仏の慈悲を真に信じる人は、御仏が無条件に救って下さることを信じることが出来ます。御仏を全面的に信じていないからこそ、功徳を積もうとするのです。御仏の無量を信じる人は、功徳はすべて御仏にあるのですから、自分で作る必要はないのです。必要なものはすべて御仏から与えられます。無限供給されます。

神様は、このように人間を救おう救おうとされています。神様の
「御名を呼ぶだけで救って下さる」(「荷物を私に預けなさい」p37)のです。ですから、五井先生を信じておられる方は、みんな救われています。そして、すべてを浄められて神界へ往生できるのです。日々五井先生(御仏)に感謝して、すべての人が救われるように「世界平和の祈り」を称えましょう。

五井先生の御名により救われていることを感謝しましょう。
「神様有難うございます」

そして、すべての人が救われるように、世界平和の祈りを称えましょう。
「世界人類が平和でありますように」

業深き 己を捨てて 御仏の 尊き願に 救ひありけり

御心に 添ふて生きんと 願へども 悔ゆることのみ 余りに多し

御仏の 尊き願の なかりせば 如何なる道で 往生せんや




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